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10回目のアイアンマン・ハワイ

  • 2013/10/31(木) 19:01:34

レースの報告ばかりで恐縮です。(ちゃんと仕事もしてますので・・)

4年ぶり、そして記念すべき10回目のIRONMAN World Championship @Kona に出場してきました。
初めてこの大会に参加したのが1991年29歳の時。その後、時は流れて、22年。
その頃からコナの町って今と大して変わってないな、って思うとなかなか感慨深いです。
この町にきたら、「ただいま」って言いたくなる。やはり、ここは聖地です。

今回は35周年と言うこともあり、キンカメ脇の通路にはこれまでの過去のポスターが
すらりと並べられおり、記念大会の気分も盛り上がります。
EventBanner_KingKame.jpg

過去、15周年、25年周年の大会には出場していたので、35周年も何とか出場したいと
思っていました。出場できて本当に幸せでした。
ちなみに、20周年と30周年のときには出場できていないので、どうも、末尾5年の記念
大会だけに縁があるみたいです。45周年も必ず、といいたいところですが、その前に、
何とかジンクスを破って、40周年記念には出場したいものです。

さて、前振りはこの辺にして、レースについてレポート。
カナダから7週間後のレース、当初はもう一回追い込んで、と思っていたが、予想以上に
疲れの抜けが遅く、3週間が経っても、バイクに乗ると疲れている、と感じてしまう。
仕方がないので、回復最優先にして3週間前まで、できる範囲でがんばり、その後、
1週間毎に、休養⇒刺激⇒調整という流れでレースを迎えることとした。

●Swim ⇒上がってびっくりの1時間1分台 SwimSkinは偉大だ
 真ん中よりもやや外側から、チームメイトの隊長、ゴーイチ、龍太とほぼ同じ位置から
 スタート。
 スタートから飛ばすと、またしても過呼吸になってしまう、と思い、無理せず、
 回りの流れに乗って泳ぎ始める。とはいえ、ハワイ。他のレースよりペースは速い。
 思ったよりもスタート直後のバトルは激しくなく、落ち着いて、最初から左右呼吸が
 できたせいで、過呼吸にならずに済んだ。水温によるところも大きいかもしれない。
 ともかく、リラックスしてスタートできたのは大きかった。
 
 スイム全般で所々バトルはあったものの、総じて、マイペースで泳げたのがよかった。
 しかも、SwimSkinのおかげで、腰が落ちず、後半までスピードが落ちない。いつもなら、
 ラスト1キロくらいでは、疲れが出て、結構抜かれてしまうのだが、今回は最後まで
 ペースを落とさず、最後でも何人かを抜いて、スイムアップできた。
 
 泳いでいるときも、「今日は調子いいな」とは思ったが、「きっとコンディションが
 いいから、全般的に速いんだろうな」と思い、あまり結果を期待しないで時計をみたら、
 なんと、1時間1分台!!いや、速いわ。ハワイでのベストタイム!
 トランジッションに走って行く間に、知人の石倉さんが「御大!」と声をかけて抜いていく。
 (御大:トライアスロン界での私のニックネームです・・)
 やっぱ、速かったんだ、とここで実感。
 カナダと違って、気持ち的に余裕をもってバイクへ。

 タイム 1:01:57 総合420位 年代別20位
 
●Bike ⇒高回転低出力の走りがうまくいった
 カナダの反省から、とにかく、筋肉に負荷をかける走り=乳酸がたまりそうな出力は
 極力避け、ギアを軽くする事を心がけて走らせる。こうすると、DHポジションの時間が
 長くなり、空力的にも負荷が少なくなる。そのために、今回はリアスプロケットを12-25T
 に変更してきた。(結果的には風がそれほど強くなかったので、25Tは使わなかったが・・)
 
 KuankiniHwyの最初の折返し後、すこししたところで隊長とすれ違う。かなり
 飛ばしている様子なので、追いつかれるは時間の問題だな。その後もチームメイトの
 川島ほか、何人かの知り合いとすれ違う。
 
 Qeen-Kに入っても石倉さんは視界に入っている。悪くないポジションだ。しばらくすると
 隊長が追い越していく。速い!!調子よさそうだ。「Push!Push!」と声をかけ、見送る。
 その後も、どんどん抜かれていくが、とにかくマイペース維持を心がける。
 風が弱いせいか、低出力でもアベレージスピードはそれほど遅くない。今回ほど、Hawiの
 折返しが近く感じたのは始めてだ。そのくらい、楽に行けたと言うことだろう。折返し後も
 アベレージは36km/h台だ。こりゃ、ひょっとすると、と思ったが、過去、このあとで
 何度も痛い目に遭っている。がんばらないように、と言い聞かせる。
 折返し後の下りは、風が弱いせいか思ったほどスピードがでない。こんなんだったら
 11-23Tのほうがよかった、と思ったが後の祭り。でも、乳酸は貯めないように回していく。
KonaBike001_bysaito.jpg

 しばらくすると、TRIONのジャージが目に入ってきた。え、誰?
 まさかのゴーイチだった。追い越し際に「どうした、メカトラ?」と声をかけるが、目に
 力がない。どうも調子が悪いみたいだ。「がんばろう」と再度声をかけ前へ。
 
 110kmも過ぎると、向い風も強くなってくるとともに、やはり疲れも出て、徐々に
 スピードが落ちてくる。回りの選手も同じみたいだった。自分を追い越しても、
 そのままのスピードで進みきらず、こっちが前に追いついてしまう。足を止めるか、
 そのまま抜くか、と迷うシーンが何度もあったが、これがいけなかった。
 気が付くと、目の前にはレッドカード!「ええ、そんな・・・」
 (注:ハワイの大会では自転車で田の選手のすぐ後について走ること(ドラフティング)
    が禁止されており、これに違反した、ということで、レッドカードが出された)
 一気に力が抜けた。テンションがガクッとおち、間違い無く、しばらくはスピードダウン。
 なんで、ここレッドカード??? 
 あれこれ考え、少しふてくされたが、ここでくさっていてもタイムは戻ってこない。
 まだ失格になったわけじゃない。次のペナルティーBOXで少し休憩、と思えば気が楽だ。
 そこまでがんばろう、と気合いを入れ直して進む。

 しばらく行くと救急車が見えてきた。どうしたんだろうと思ったら、なんと、石倉さんが
 顔をしかめてうずくまっている。「大丈夫ですか?」と声をかけるも一瞬で通り過ぎてしまう。
 心配だ。しかし、風も強くなってきて、人の心配ばかりもしていられない。とにかく
 スピードが上がらない。このままでは前半の貯金を使い切ってしまう。しかし焦っても
 仕方ない。ともかく、我慢我慢で足を使いすぎないように進む。

 140k過ぎ、ペナルティBOXが出てきた。仕方なく、ここでSTOP。
 (注:先程のレッドカードのペナルティが4分。そのため、ペナルティBOXで4分間、
    停止しなければならない)
 BOXにいた係員にナンバーを告げて待ったが、どうも、タイムを計っているようには
 みえない。回りを見ると、みんな自身でストップウォッチを持ってタイムを計っている
 みたいだ。
 え、オレのタイム、誰も計ってないの???焦っていたら別の係員がやってきて、時計を
 渡された。4分計れ、という。え、何言ってんの、もう1分以上止まってるのに!!
 もう1分以上待ってるぞ!って騒いだら、最初の係員がやってきて、2:45で出ていいよ、
 言われ、ちょっと気持ちもおさまる。本来なら、ペナルティの時間にはトイレ等もNGなの
 だが、特に何も言われなかったので、ここで小用を済ませ、リフレッシュ。
 残りは約40キロ、気持ちも入れ替えて、再スタート!

 それにしても、ここまでに、川島、龍太に抜かれていない。おかしい、そんなにオレが
 速いわけがない。きっとペナルティーで止まっている間に行ってしまったに違いない。
 ま、それが妥当だよな、と思いつつ、バイクゴールを目指す。
 
 空港が見えてきたら、もうあと少しだ。ここまでくれば風も少し収まってくるので、
 スピードも上がってくる。以前なら、このあたりでは腰が痛くて、DHポジションはとても
 とり続けられない状態になっていたものだが、春先にポジションを大幅に変えたことが
 よかったようで、今回は無理なく、DHポジションで走れる。これも大きな収穫だ。
 結果的には後半向い風でアベレージを落としたものの、目標の5時間40分を大きく
 上回る、5時間20分台でバイクを終えられそうだ。
 多少の余裕を残したつもりで、バイクゴール。

 タイム 5:23:24 総合883位 年代別45位

●Run ⇒足が前に出ん!
 バイクであまり踏んだつもりはなかったので、普通に走れると思ったが、足が動かない
 というよりも、体重が前に乗らず、後傾して走ってる感じ。これじゃ、スピードが上がる
 はずがない。どうやら、予想以上に足を使ってたみたいだ。レース前の作戦としては、
 Bikeを5:40くらいで余裕をもって上がって、ランで3:30台、のはずだった。そのために、
 キロ4分半のペース走をそれなりにやってきた筈なのに。

 ともかく、重い足はなかなか回復しなかった。しかし、10-15キロ走った後に、急に動き出す
 ときもあるし、と思って、序盤は我慢。それでもキロ5分で走るのが精一杯だ。
 Alii Dr.の折返しに向かう途中で、りょーちん、隊長とすれ違う。2人とも調子よさそうだ。
 前後して、ゴーイチが追い越していく。さすがに地力があるから速いな。あっという間に
 見えなくなる。

 それにしても、先行している筈の川島、龍太が来ないな、と思っていたら、折返しを
 過ぎてしまった。まさか、と思っていると、しばらくして、川島が見えてきた。
 なんと、バイクまでは先行していたみたいだ。なんともあり得ない展開!本来なら
 ここで気合いを入れ直すべきところだが、足が動かないので、気持ちも上がってこない。
 特に、上りでは全く足が上がらず、極端に速度が落ちてしまう。気持ちも滅入ってくる。
 それでも、エイド以外は歩かないよう、自分に言い聞かせ、なんとか踏ん張る。
 Alii Dr.の途中で川島が軽快に追い越していく。さすがの走り。全くついて行けず、
 やはりみるみるうちに見えなくなる。

 このあたりで、もう、気持ちも切れていたかもしれない。その後、重い足にはとても苦痛な
 PananiRd.の激坂を歩くように上り、ようやくハイウエイに。
 ハイウェイに入ると所々ある下りで少しは足が動き、ピッチが上がってくる。この勢いで
 上りも最初は行けが、長い上りになると、やはり急激にペースダウン。エイドで歩きながら
 補給して、また走り出す。ほとんど、この繰り返しとなってしまった。

 起死回生を狙い、20k過ぎでコーラを飲む。一瞬、元気になったものの、あっという間に
 またタレる。あとは、スペシャルエイドの補給食で再度チャージだ、と思っていたが、
 スペシャルエイドがなかなか出てこない。スペシャルエイドの位置を間違えていたのだ。
 なんたる失態。エナジーラボに入って応援が少なくなると、気持ちが折れてくる。
 もう、とりあえず、歩いていないだけ、という状態。いつものことだが、非常に長く感じる。
 折返し後、ようやくスペシャルエイドにたどり着くも、気持ちは上がってこない。
 スペシャルをポケットにいれ、一部補給して、ゆっくりとまた走り出す。

 ハイウェイに戻り、いくつかのエイドを過ぎたところで、見慣れたジャージを着た選手が
 倒れている
。誰だ?!ゴーイチか?完全に、大の字になって寝ている感じ。
 それにしても、周りには誰もおらず、一体どうなってるんだ、とやや怒る。
 「大丈夫か?脱水?」と声をかけるが、最初は全く反応がなくマジでヤバイのか?
 と思った。が、その直後、ふと気づいたようで、「大丈夫です」というが、力がない。
 ボランティアに声をかけ、給水等を頼むが、ゴーイチが断っていたようなので、少し安心
 して、先へ進む。

 それにしても、足が動かないときのハイウェイは長いな~。30キロ過ぎでコーラを入れても
 身体の反応は鈍く、相変わらず。唯一、スピードが上がるのは、知り合いの応援だけだ。
 ハイウェイが終わるあたりでは酒井夫妻(サム・絵美)が目一杯応援してくれた。
 ありがたかった。
 
 ハイウェイからPananiRd.に戻れば、ゴールまであと1マイル。ここからは完走の喜びに
 浸りながら走ることができる。
 KuankiniHwyでは、高橋家の子供たちとミキティ、薫、そしてリタイヤしたらしい
 龍太が目一杯応援してくれている。ここで、豪一の様子を伝え、先を急ぐ。
 
 Alii Dr.が見えてきた。ここを曲がれば、ゴールはすぐそこ。感動の瞬間だ。
 あとは観客の声援を力にゴールでどんなポーズをするか、を考えるのみ!
 観客をあおり、声援をもらい、自分の力に変え、とにかく完走の喜びを表現するために、
 でガッツポーズでゴールに向かう。
 帽子を取り、サングラスを頭に挙げ、ゴールの準備。そして、歓喜のゴール!

 タイム(Run) 4:02:51 (Total) 10:35:47 総合980位 年代別60位
Goal001.jpg

いや、疲れました。
ゴール後、ボランティアにHow do you feel? と聞かれ、Exhausted!(疲れ果てた)と
答えるのが精一杯。ゴール後の選手エリアで先にゴールしたりょーちん、隊長、同宿の
竹谷さんとまったりしているとゴーイチもゴールし、ちょっと安心。リタイヤの龍太は
残念だったけど、これでTRIONが全員戻ってきた。
仲間が多いってのは、やはり楽しいし、頼もしい。
Goal005.jpg
 
今回、最終タイムは平凡なものでしたが、まさかのSwim、Bikeでのコースベスト
自分でも驚きました。まさかこんなタイムが出せるなんて。
でも、これでまた、挑戦する気持ちが強くなりました。
もう無理だろうと思っていた、夢の「ハワイでのサブ10」が少し現実のものとなってきました。
これまでは年齢を理由にあきらめていたけど、まだまだがんばれそうな気がしてます。
ということで、来年もハワイ目指して、そして夢のサブ10目指して、がんばります!!

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